2009年7月13日月曜日

去年の自分と今の自分・・・再

 去年の今頃自分は何をしていたのかな・・・と考えて去年の手帳を開いてみた。
 オオオオオオ・・・出たぁ。「自力」であがきまくっていた姿。妻には内緒でしたパチンコや買い物での借金を返そうと、買った物を購入価格の半額程度でオークションで売り飛ばして返済に充てる金額をひねり出していたのである。今から思えばなんと浅はかな自分であるか。スノーシュー・ノートPC・DVDなど自分がそれなりに大切にしていたものをいとも簡単に売り飛ばし、返済期日に間に合うようにひねくり出す・・・やっぱり「狂気」の一言。こんな精神状態じゃァ職場復帰なんてできっこないのに、「夏休みに向けて復帰プログラムを・・・」なんて焦っていた。これも職場復帰して給料もらえるようになればより返済が滞りなくできるだろうという自分の都合だけでの考え。自分の置かれている状況や現実を理解しなさ過ぎ。自分で自分の状態をわかっていないのに、他人に自分を理解してくれなんて求めること自体無理。ほんとに情けないね。
 だけど一年後に今の自分のようになっているなんて思ってなかったからね。いろんな自分の都合を捨て去っていくと執着から離れて客観的で冷静な判断が戻ってくる。こんな風になれるとは思ってなかったよ。12STEPの威力すごい。一度離れて自分が壊れていったのを体験できたから、このプログラムの持つ力を心の底から思い知ることができたんだな。
 自分の運命だったんだよこれが。そしてこれからもね。

 ところで数日前に一人の「仲間」が亡くなった。ある仲間が自宅に訪ねていったらワンカップの空瓶の転がる中でミイラになっていたそうだ。去年半年ほど同じ通所施設に通っていたのに、やけを起こして自主退所してしまった仲間だ。彼が抱えていた内面の恨みや怒りはすごかった。それらと向き合う力が育つ前に負けてしまったんだろう。「この病気は死ぬんだよ」何度も繰り返されているのだが、ちょっと酒が抜けると「もう大丈夫」と思い込んで離れて行き、そして酒につかまる。酒につかまったら死ぬ。運がよければ戻ってやり直すこともできるのだが、いつも運がいいとは限らない。死んだ仲間は明日の自分かもしれない。自分たちはそういう死と背中合わせにプログラムに取り組んで助け合う。エゴイズムという点では究極のエゴイズムだ。自分が酒を飲まないためには仲間が必要、プログラムが必要だからそれに従っている。結果としてそれが仲間にとっても必要な自分を育てていくというだけだ。甘い夢も幻想もない。仲間から離れプログラムに背を向けるのは簡単だがそれには酒が止まらなくて「死ぬ」という罰が待っている。怖いプログラムでもあるのが現実であり事実である。

0 件のコメント: