2008年11月18日火曜日

犬の思い出

 まだ幡ヶ谷の借家に住んでいた頃、父・母・兄との四人暮らしで一匹の犬を買っていた。ダルメシアン系の雑種で白に黒い斑点のある中型犬だった。名前は「ポチ」変哲もない名前だが、私はこの「ポチ」が大好きだった。だから犬と言えば「ポチ」だったし、一緒に犬小屋で昼寝をしていたこともあったそうだ。 よちよち歩きの頃、この犬には随分お世話になったらしい。
 埼玉に引っ越して驚いたのは「野良犬」という生き物の存在。誰に飼われているわけでなく、辺りを歩き回り食べ物を求めてさまよう。時には子どもに噛み付くこともある。野犬狩りも行われていたが、まだまだ野良犬はたくさんいた。 もちろん狂犬病の予防接種も行われおらず、かなり怖い存在だった。
 そして私が大好きだった「ポチ」は野良犬の「ボス」と名づけられて恐れられていた大型犬にかみ殺されてしまった。引っ越してまだ数ヶ月のことだった。悲しかった。
 その後も私の家ではスピッツ系の「リリー」そしてその息子の「チロ」を飼っていたのだが、「チロ」は愛嬌があって毛がふさふさで好きだったが、「リリー」は癇が強いというか、神経質で好きになれなかった。
 まだこの頃は犬に「ドッグフード」なんてものを与えるのは金持ちだけだったから、フェラリアの予防接種とかもしていなかった。結局二匹ともこの病気で亡くしてしまったのだが。

 私はもう犬を飼うという気にはなれない。その後も実家では屋内犬を飼っていたのだが、私はもう犬の臭いと、世話をろくにしないでただいじくってかわいがる無責任な飼い主の姿に嫌気が差しているから。私が生活にゆとりが持てるようになったら(そんな日が来るかどうかわからないが)また考えてみようと思う。

 

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